がんセンターについて

診療部の紹介 -放射線治療科-

診療部の紹介

兵庫県立がんセンタートップページ > がんセンターについて > 診療部の紹介 > 放射線治療科

放射線治療科

診療カレンダー

 
放射線治療科 1診 太田 副島 辻野 副島 辻野
2診 川口 松本(葉) 太田 松本(葉) 太田

概要

当センターで施行できる放射線治療
  1. 3次元放射線治療(3DCRT; 3 dimensional radiation therapy)
  2. 強度変調放射線治療(IMRT; intensity modulated radiation therapy);前立腺癌,頭頚部腫瘍,脳腫瘍,胸膜悪性中皮腫
  3. 画像誘導放射線治療(IGRT; image guided radiation therapy)
  4. 体幹部定位放射線治療(原発性肺癌,転移性肺癌)
  5. 全身照射
  6. 婦人科腫瘍小線源治療
当センターの放射線治療にたずさわるスタッフ(重複あり)
  1. 医師:スタッフ5名、うち、日本医学放射線学会放射線治療専門医4名
  2. 診療放射線技師:スタッフ8名、うち、医学物理士1名、品質管理士3名
  3. 看護師:外来看護師2名、がん看護専門看護師(CNS)1名、放射線療法認定看護師(CEN)1名

当科を受診される方へ

当院では他の診療科と連携して患者さんに最適な放射線治療を提供することに努力しています。放射線治療について尋ねたいことがあれば遠慮なく外来に受診してください。また、もし、放射線治療をお受けになることになってもわからないことがあれば遠慮なく、医師、看護師、放射線治療技師にお尋ねください。

放射線治療をお受けになることになった場合、その流れは概ね下記の通りです。

  1. 適応の決定
  2. 同意説明
  3. シミュレーション
  4. 放射線治療開始
  5. 放射線治療中の急性合併症および効果のチェック
  6. 放射線治療後の経過観察
1.適応の決定

放射線治療の適応があるかどうか、EBM (Evidence based medicine )に即して検討します。放射線治療の目的には根治と緩和の両方があります。根治目的の場合、エビデンスを考えながら他科の先生方と治療法を検討することもありますし、多施設共同試験などの臨床研究に参加できる症例かどうかも検討します。緩和治療の場合もエビデンスと患者さんの全身状況に合わせて治療の適応を決定します。

2.同意説明

患者さんに放射線治療について説明し、同意していただきます。説明の骨子は放射線治療の意義、放射線治療の方法、および合併症についてです。放射線治療の合併症は治療中の急性合併症と数ヶ月から数十年後に発生する晩期合併症があります。放射線治療医がそれぞれについて説明し、同意いいただいた後に同意書に署名していただきます。

3.シミュレーション
4.放射線治療開始

上記のようなシミュレーションの後、放射線治療が開始されます。がんの種類や進行度に応じて治療回数は様々ですが、がんを根治させる目的で行う治療の場合には30回程度の治療が必要です。通常1日1回で平日のみの照射ですと6週間程度の治療期間となります。1回の照射時間は数分であり、毎日の治療には入室から位置あわせ、照射して退室までで約10分程度の時間がかかります。患者さんの状態にもよりますが、放射線単独治療の場合には入院せずに外来通院による治療も十分可能です。最近は放射線治療を化学療法(抗がん剤)と同時併用で行うことも多く、その場合には入院していただいて全身状態をしっかり管理しながら治療を進めていきます。

5.放射線治療中の急性合併症および効果のチェック

放射線治療中は週1回以上の放射線治療医による診察があります。また、放射線治療の看護師による定期的な面接も行われます。これらは治療効果や急性合併症を専門的にチェックすることにより、照射線量を変更すべきかどうか、休止を置くべきかどうか、適切な症状緩和の処置が必要かどうか、などをチェックするためです。

6.放射線治療後の経過観察

放射線治療は数ヶ月から数年後に晩期合併症が起こりえることが特徴です。日本では放射線治療医が少ないことから放射線治療による晩期合併症の認識も甘く、適切な処置がなされないこともありますし、放射線治療に関連のないことでも放射線治療の合併症であるような誤った説明がなされていたりします。放射線治療医による晩期合併症の専門的なチェックは重要で、英国では放射線治療医の義務と考えられています。当院でも照射1年後までは1ヶ月から3ヶ月毎に、その後は適切な間隔で、放射線治療科の外来に来ていただいています。このことは患者さんや放射線治療を依頼した診療科の医師の信用を得るとともに、放射線治療医自身のレベルアップにつながると考えています。

最新鋭の高精度放射線治療装置導入(2011年4月より稼働)

高精度放射線治療統合システムNovalis Txの導入により、従来にも増して精密で、より患者にやさしい放射線がん治療の提供が可能になりました。

Novalis Txは、頭部・頸部だけでなく、脊椎や肺、肝臓、前立腺等の体幹部への腫瘍などに適用可能な、高精度放射線治療統合システムです。最先端技術を駆使した高精度の患者位置決め技術や放射線ビーム成形装置、強力な照射装置(リニアック)を搭載し、病変部に対しピンポイントで治療を行い、患者様の負担を軽減します。治療範囲の拡大、治療精度の向上、および治療時間の短縮がその特徴です。

最新鋭の高精度放射線治療装置導入

●治療範囲の拡大

Novalis Txの最大の特徴は、大幅に拡大した放射線照射野です。放射線ビームを腫瘍の形状に合わせて照射するための高精度成形装置「マイクロ マルチリーフコリメータ (MLC)」を拡大することで、照射野は22x40cmにまで拡がり、より大きな腫瘍の治療が可能になると同時に、適応部位も拡大されます。また、痛みを伴わないフレームレスでの治療など、患者一人ひとりのニーズに合わせた多様な治療方法の選択が可能となります。

●治療精度の向上

従来のX線画像と赤外線による患者位置決め装置「ExacTrac X-Ray」に加え、CT画像撮像装置「On-Board Imager」を搭載したNovalis Txは、病変部を3D画像として取り込むことで、画像誘導による精確な位置決めを行いまあう。さらにMLCに2.5mmリーフを使用し、より精密に放射線ビームを腫瘍の形状に一致させることが可能となり、放射線照射による周辺正常組織への被ばくを最小限に抑えた、より患者にやさしい治療を実現します。

●治療時間の短縮

Novalis Txは、直線加速器領域において実績のある米医療機器バリアンメディカルシステムズの高精度リニアックを採用しており、最高水準の照射線量率(最大1000MU/分)で放射線を集中的に照射することができます。また、6軸制御の全自動ロボット寝台により、治療時の患者様の正確なポジショニングを短時間で実現します。

紹介元の先生方へ

放射線治療科では放射線治療について外来にて適応の有無を検討させていただいていますが、それ以外にも粒子線治療についても適応の有無を検討し、粒子線医療センターへ紹介させていただいています。また、2008年5月より骨転移によるがん性疼痛に対する放射線医薬品メタストロンについても適応を判断の上、投与を行っています。お気軽にご紹介いただければ幸いです。 ただ、放射線治療に関しては精度管理が重要視される昨今、全ての症例を当センターで行うことは不可能になってきています。他院に紹介させていただくことがあることはご了承いただければ幸いです。

当科参加多施設共同試験

1.【 頭頚部 】
  1. Ce CRT P-II:切除可能頸部食道癌に対するシスプラチンと5FUを同時併用する化学放射線療法の第II相試験
  2. COG1008:局所進行頭頸部扁平上皮癌術後の再発ハイリスク患者に対する3-Weekly CDDPを同時併用する術後補助化学放射線療法とWeekly CDDPを同時併用する術後補助化学放射線療法に関するランダム化第Ⅱ/Ⅲ相試験
  3. JCOG1015:上咽頭癌に対する強度変調放射線治療(IMRT)の多施設共同第II相臨床試験
  4. 局所進行頭頸部扁平上皮癌に対する導入化学療法(ドセタキセル+シスプラチン+セツキシマブ)と放射線療法及びセツキシマブ併用療法の第II相試験
  5. JROSG12-1:頸部食道癌に対する強度変調放射線治療(IMRT)を用いた化学放射線療法の多施設共同第II相臨床試験
2.【 肺癌 】
  1. JCOG1011:限局型小細胞肺癌に対するエトポシド+シスプラチン+加速過分割胸部放射線同時併用療法に引き続くCODE 療法とアムルビシン+シスプラチン療法のランダム化第II 相試験
  2. WJOG5308L:縦隔リンパ節転移を有するIIIA期N2非小細胞肺癌に対する術前の化学放射線療法と手術を含むtrimodality治療の実施可能性試験
  3. WJOG6911L:EGFR遺伝子変異を有する切除不能Ⅲ期非小細胞肺癌に対するゲフィチニブと胸部放射線治療同時併用療法の第Ⅱ相試験
  4. 切除不能局所進行肺扁平上皮癌に対するDE-766+シスプラチン・ビノレルビン+胸部放射線同時併用療法のプラセボ対無作為化二重盲検並行群間比較第III相試験
3.【 食道癌 】
  1. JCOG0909:臨床病期II/III(T4を除く)食道癌に対する根治的化学放射線療法 +/- 救済治療の第II相試験
  2. JCOG0502:臨床病期Ⅰ(clinical-T1N0M0)食道癌に対する食道切除術と化学放射線療法同時併用療法(CDDP+5FU+RT)のランダム化比較試験
4.【 子宮頚癌 】
  1. JCOG1066:局所進行子宮頸癌に対する高線量率腔内照射(High-dose-rate intracavitary brachytherapy: HDR-ICBT)を用いた同時化学放射線療法(Concurrent chemoradiotherapy: CCRT)に関する多施設共同第Ⅱ相試験:登録終了
  2. JCOG1101:腫瘍径2cm以下の子宮頚癌IB1期に対する準広範子宮全的術の非ランダム化検証的試験
5.【 骨転移 】
  1. JROSG11-1:腎癌骨転移に対する放射線治療とゾレドロン酸併用療法の臨床第II 相試験
6.【 前立腺癌 】
  1. 前立腺癌に対するIMRT/IGRT併用寡分割照射法の第II相臨床試験

放射線治療科 ホームページ疫学研究のお知らせ

当科では下記の研究を行っております。

研究課題名】: 肺癌化学放射線治療後の重症放射線肺炎発症予測因子についての研究

【研究の目的】: 局所進行肺癌における標準的治療は化学放射線同時併用療法ですが、有害事象のひとつとして放射線肺炎があり、時に重症となります。放射線治療計画因子・患者臨床因子などと重症放射線肺炎発症の関連性を検討することにより、治療開始前にその発生を予測する方法を確立し、治療方法の改善に役立てることを目的としています。

【研究の方法】: 2001年から2008年に非小細胞肺癌で化学放射線同時併用療法を行った患者様の診療録と治療計画データを解析します。本研究は兵庫県立がんセンター倫理委員会の承認を得て実施されています。個人情報は厳密に保護されます。

【研究成果発表】: 学会等や誌上での報告を行います。個人名や個人情報が公表されることはありません。

【問い合わせ先】: 本研究に関するお問い合わせや診療情報の利用を望まれない方は、下記までご連絡ください。

研究事務局
兵庫県立がんセンター 放射線治療科
辻野 佳世子
電話:078-929-1151、FAX:078-929-2380

【研究課題名】: 腫瘍照合を用いた肺定位放射線治療における1回の照射時間内での変動について

【研究の目的】: 孤立性肺腫瘍に対する体幹部定位放射線治療における1回の照射時間内での変動を後方視的に解析し、当センターの治療計画時のマージンの妥当性について検証することを目的としました。

【対象症例】: 当センターで肺に対して体幹部放射線治療を施行した13症例

【研究成果発表】: 学会等や誌上での報告を行います。個人名や個人情報が公表されることはありません。

【問い合わせ先】: 本研究に関するお問い合わせや診療情報の利用を望まれない方は、下記までご連絡ください。

研究事務局
兵庫県立がんセンター 放射線治療科
副島 俊典
電話:078-929-1151、FAX:078-929-2380

スタッフ(放射線治療科)

スタッフ 資格等 主な所属学会
副島 俊典
放射線部長
放射線治療科部長(診療科長)
1983年卒
日本医学放射線学会放射線治療専門医 日本放射線腫瘍学会
日本医学放射線学会
日本小児がん学会評議員 日本小児血液がん学会
日本緩和医療学会
日本頭頚部癌学会
日本食道学会
日本肺癌学会
ASTRO
ESTRO
辻野 佳世子
放射線治療科部長
1987年卒
日本医学放射線学会放射線治療専門医 日本医学放射線学会
日本放射線腫瘍学会代議員 日本放射線腫瘍学会
日本がん治療認定医 日本癌治療学会
日本肺癌学会
日本乳癌学会
日本頭頚部癌学会
ASTRO
ESTRO
太田 陽介
放射線治療科医長
1997年卒
日本医学放射線学会放射線治療専門医 日本放射線腫瘍学会
日本医学放射線学会
日本頭頚部癌学会
日本食道学会
日本肺癌学会
ASTRO
松本 葉子
放射線治療科医長
2006年卒
日本医学放射線学会放射線治療専門医 日本放射線腫瘍学会
日本医学放射線学会
日本頭頸部癌学会
川口 弘毅
放射線治療科医長
2008年卒
放射線科専門医 日本放射線腫瘍学会
検診マンモグラフィ読影認定医 日本医学放射線学会
PET核医学認定医 日本核医学会
  日本乳癌学会
  日本肺癌学会

2015年8月